平成30年7月14日(土)開催 第3回 若者と家族の集い 講演内容まとめ

  <開催概要>

開催日時:平成30年7月14日(土) 14時~16時半ごろ

場所:サンポートホール 65会議室

講師:香川県視覚障害者福祉センター 中口潤一氏

演題:生活訓練の内容、白杖の種類と使い方


  <講演内容>

(1)香川県視覚障害者 福祉センター(以下「福祉センター」と記載)で対応している生活訓練について

 ①福祉器具の紹介(拡大読書機、ルーペなど)

  ・今までの方法(見て確認)で出来なくなった→拡大読書機などで補う事で、時間はかかるが、今までの方法で継続できる。

 ・100円ショップで手に入る物で補える場合もある。

 ②訓練

 ・生活リズムを作る、体力作りをする事により、同行援護や歩行訓練により外出が可能になる。

 ・歩行訓練:訪問訓練により、ごみ捨て場までの訓練など。

 ・最初は自分の事で精一杯だが、次の1歩として、人の役に立つ事で大きな1歩になる。

 ・情報提供:センターの行事の紹介、JRPSなどの当事者団体の紹介など。

 ・訪問訓練は、現在の生活を維持しながら、必要な部分を訓練する。

 ③県外施設の紹介

 ・京都、大阪、神戸のライトハウスの紹介。特定の施設を勧める事はせず、出来れば見学をしていただき、自分にあった施設に。

 ・ライトハウスでは、歩行、調理、パソコン、点字など日常生活全般の訓練を行っている。

 ・相談者の目標が定まってから紹介している。(こういう事を身に付けたいなど)

 ・休職中に、若しくはいつまでに身に付けたいなど、期限がある場合に紹介している。

 ・利用する際には、市町の障害福祉課(以下「福祉課」と記載)などに申請→相談支援事業所により計画を立てる。

 ・症状の進行等により、必要な訓練も変わる事もあるので、複数回の訓練も可能?(行政の判断によると思われるが、複数回行ってる方もいる)

 ・訪問訓練と違い、新たな生活スタイルの獲得を目指す。(これは出来ないから、周りの人にはこうして欲しい。こうすれば自分でも出来そうなので、やってみよう。など)

(2)白杖について

 ①白杖の種類

 ○目的による種類

   ・ロングケーン:歩行に使用。

   ・シンボルケーン:見えにくい事を周りの人に知らせる目的。短い。

   ・体を支えるタイプ:下肢筋力の低下した方、グラツキのある方が使用。

 ○折り畳みの有無

   ・直杖:折り畳みなし。

   ・折り畳み式:4つ折り、5つ折りなど。折り畳む事で鞄に入れられる。

   ・スライド式:釣竿の様にスライドで伸ばす事が出来る。

 ○材質

   ・軽金属:重量はあるが頑丈。

   ・グラスファイバー:軽いがブレがある。

   ・カーボン:軽金属とグラスファイバーの中間。

 ○石突き(杖先)

   ・スタンダードタイプ:細い。小さな段差でも引っ掛かるため、小さな段差も確認出来る。

   ・ローラーチップ:左右にのみコロコロ転がるため、スムーズに振る事が出来る。しかし、小さな段差は乗り越えてしまうため、小さな段差を発見しにくい。

   ・マシュマロチップ:玉状。

   ・パームチップ:クッションがあり、角度により曲がる。

 ②歩行用の白杖の目安

  ・気をつけで立った時に、脇の高さ。

  ・腕を伸ばし、グリップを持った時に、石突きが地面に付く場所がリズム良く歩いた場合の2歩前になる長さ。

 ③白杖の振り方(基本)

  ・手はヘソの前で固定し、手首のみで左右に振る。(振り幅は肩幅より少し広めに)

  ・杖は踏み出した足と逆に振る。

  ・歩き方に注意。(右足のつま先は真っ直ぐでも、左足のつま先が外に向いていると、真っ直ぐ歩けない)

  ・利き手の方の振り幅は大きくなり、少しずつ右向きに歩いてしまうので注意。

  ・階段を上り下りする時には、次の段の端を確認しながら。

 ④白杖の申請

  ・白杖は補装具としての申請。

  ・手順は、福祉センターに相談して、購入する白杖を決める→業者を紹介→見積、カタログを送ってもらう→市町の福祉課に申請

  ・福祉課への申請時には、身障者手帳、見積、カタログ、マイナンバー、印鑑を持参。

  ・業者は福祉センターで紹介いただける。同時に見積の依頼もしていただける。(直接、福祉課へ発送いただくことも)

  ・福祉センターでは、日本点字図書館、日本盲人会連合などを紹介。個人的にお世話になっている業者からの購入も可能。

(3)フリートークの内容

 ①災害時の安否確認連絡はどうしたらいただけるのか?

  ・福祉センター利用登録、香川県視覚障害者福祉協会会員、JRPS会員、盲学校同窓会、要援護者台帳に登録などにより対応いただける。

 ②同行援護の利用について

  ・利用までの流れ:市町の福祉課へ相談→相談支援事業所による面談(こんなサービスを受けたい、月に何回ぐらいなど)→計画を作成→ヘルパー事業所選定→利用開始

  ・申請から利用開始までは、数ヵ月~半年ぐらいかかる。

  ・1年間利用がない等の場合には、実績に基づいて、受給者証を取り上げられたり、利用時間を削られた例もある。

 ③白杖を持ちたくない

  ・近所の人の目が気になるので近所では白杖を持ちたくないと思われている方がいらっしゃった。

  ・周りの目が気になる事と、白杖を持ち歩いて安全性が高い事のどちらが楽なのかを考える。

  ・それでも持ちたくない場合には、その他の方法を考える。(夜間はLEDライトで照らせば白線が見えるなど)

 ④家族にも遠慮している

  ・家庭内でルールを作る。

  ・分かっていても「これは何?」と聞くことで見えていない事を理解してもらえた。

  ・「私が動くから、避けて」、「見えないから、動かないで」と言える様になった事で、楽になった。

 最後に、実際に色々な白杖を試しながら、それぞれの特徴を把握したり、自分の白杖との違いを確認したりして、充実した会になったのかな?と感じました。


ここまで

香川県網膜色素変性症協会

香川県網膜色素変性症協会(略称JRPS香川)の公式ホームページです。 中途失明の原因となることが多い網膜色素変性症およびその類似疾患の、啓発活動と自立を促進する活動を行っています。正会員は、この目的に賛同して入会した網膜色素変性症等の患者及びその家族(個人に限る)、医療従事者及び支援者 です。 当会の本部は公益社団法人 日本網膜色素変性症協会です。

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