~JRPS香川 2018年度定期総会と医療講演会、メガネ型デバイス体験会のご報告~
平成30年4月15日(日)に香川県社会福祉総合センターにおきまして、JRPS香川 2018年度定期総会と医療講演会を開催いたしました。
午前に定期総会を開催し、
1号議案:平成29年度 活動報告、平成29年度収支決算報告、平成29年度会計監査報告
2号議案:平成30年度 役員について
3号議案:平成30年度 活動計画
4号議案:平成30年度 予算
につきまして、参加者の賛成多数(会則 第8条)により承認いただきました。
午後には、京都大学医学部付属病院 准教授 池田華子先生をお招きし、医療講演会を開催いたしました。
目の構造や網膜色素変性症(以下「RP」)についての基礎知識、KUS剤という京都大学で作製した物質を用いた視神経保護についてのお話、分岐鎖アミノ酸を用いた視神経保護のお話をいただきました。
KUS剤はVCPというタンパク質が細胞死を引き起こすのを阻害する働きをするそうで、マウスによる試験では視細胞の変性を約30%程度遅らせるという結果が出たようです。完全に変性を止めることはできませんが、病気の進行を遅らせる効果が期待できそうです。しかし、新たに作成した物質のため、臨床試験を行うに当たって、いろいろと問題があるそうです。現在はRPよりも重い病気に対して臨床試験が行われているそうです。
分岐鎖アミノ酸は既に肝硬変の治療薬として使用されている薬で、サプリメントとして市販されている物ですが、KUS剤と同じように、視細胞の変性を遅らせる効果がある様です。現在はRPの患者に対して、治験前の自然観察研究が始まっているそうです。今回の治験の申し込みは終了したそうですが、この治験で効果が得られれば、次回の治験ではもっと多くの方を対象に治験が行われるそうです。(ただし、効果の検証のため、半数の方にはニセの薬を処方することになるようです。)
分岐鎖アミノ酸はサプリメントとしてドラッグストア等で購入出来る様ですが、飲みにくいそうですし、使用したことのある方は、次回の治験に参加出来なくなるようですので、次回の治験に参加を考えてらっしゃる方は、気を付けてください。とおっしゃっていました。
KUS剤と分岐鎖アミノ酸についての講演を聞いて、治療法開発に希望を持たれた方も多くおられたようです。治療法の確立がなされるその日まで、当会ではQOLの向上を広めて行きたいと思っております。
ご講演をいただきました池田先生には、遠く香川県までご講演に来ていただき、ありがとうございました。当会の会員も池田先生の今後の研究に期待をしております。この度はご講演ありがとうございました。
池田先生のご講演の後には、四国発となる、メガネ型デバイス体験会を開催いたしました。HOYA株式会社様、株式会社オトングラス様をお招きし、暗所視支援装置とオトングラスを体験させていただきました。
暗所視支援装置は、眉間の高感度カメラにより撮影した映像を、メガネのモニターに映すことにより、暗い場所でも目の前が見えるようにしたものです。ある程度の視力(0.2ぐらい)は必要だそうですが、真っ暗な場所にある物がはっきり見ることが出来ました。
オトングラスは、眉間のカメラにより写真を撮影し、そこに書かれている文字をテキストファイル化して、音声で読み上げてくれます。郵便物や町の看板など、一定の書式になっているものであれば読み上げてくれるので便利です。
皆さん、興味津々だった様で、「欲しい」、「購入したい」といった感想が聞かれました。アンケートでは改良点も記入されていた様ですので、今後の機器の進歩にも期待したいと思います。
HOYA株式会社様、株式会社オトングラス様には、体験会にご参加いただきましてありがとうございました。今後の開発にも期待いたしております。
ここまで
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